2019年11月 5日

三連休

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出張だったり、イベントだったりでここのところずっと休みがなかったけれど、3連休は久しぶりの休日。
 
土曜日は、鎌倉の光明寺で開催されている材木座らくご会へ行ってきた。Ko'da-Style のこうださんが、材木座らくご会の主催メンバーのひとりということで、お声がけいただき、足を運ぶことになった。
 
駅に着くと、まずは鎌倉の老舗カフェ、ヴィヴモン・ディモンシュでコーヒー。小腹が空いていたこともあって、ワッフルもオーダーする。苦味の中にほのかな甘みを感じる深煎りのマンデリンに、ソテーしたバナナと甘さ控えめの生クリームがのったワッフル。店内には気持ちの良いボサノヴァが流れている。まるでスタン・ゲッツのテナーサックスとジョアン・ジルベルトのヴォーカルのような、コーヒーとワッフルの心温まるハーモニーを心ゆくまで楽しんだ。
 
カフェを出ると、歩いて光明寺へ向かった。駅前は朝の満員電車みたいに人で溢れていたけど、裏路地に入ると歩く人も少なく静かで趣のある古い街の風情が味わえる。そんな中に点在する素敵なお店をのぞきながらのんびり鎌倉散策をする。
 
しばらく歩き、狭い路地を抜けると、唐突に視界に海が現れた。この日はまさに秋晴れと呼ぶのにぴったりの陽気で、太陽の光が海の波に反射して、キラキラ光っているのが見えた。その瞬間、僕の心はふわっと心地よく高揚した。この海岸は、材木座海岸というのだけど、何年か前に鎌倉市がその管理費用を賄うために命名権を売りに出したことがあった。その際、鳩サブレーで有名な豊島屋さんがお金を払って、その権利を取得したのだけれど、新たな名前をつけずに、材木座海岸という地元の人から愛され、歴史のある名前をそのまま残したそうだ。そういう粋な計らいを知ると、嬉しくなる。
 
らくご会の会場、光明寺も鎌倉時代から続く歴史あるお寺。近々耐震改修工事が行われるということで、すでに入り口の大きな門には、全体を覆うように足場が組まれていた。この工事は10年かかるとのこと。歴史ある建造物を次の世代に遺していくのはやはり大変なことなんだな。
 
さて、今回鎌倉に来た一番の目的は落語だ。正直に言えば、今まできちんと落語を聴いたことはほとんどないのだけど、最近すっかり落語にはまっている橋本がおすすめする春風亭一之輔さんが出演するとのことで、足を運んでみることにしたのだ。そもそも春風亭一之輔さんの独演会は人気でチケットを取ることも難しいようで、今回はこうださんのおかげでチケットを入手できた。
 
そんなわけで前知識もないまま見たのだけど、これがほんとうに面白かった。まったくの素人なので、何が面白いかを書くのは憚れるけど、様々な登場人物をひとりで臨場感たっぷりに面白おかしく演じる姿は、まさに話芸の魅力をぞんぶんに体感させてくれるし、適度に差し込まれるテレビでは言えないような時事ネタや毒もスパイスのように味わいを深めてくれる。いやー、すごいなあ。
あっという間の2時間が終わると、新しい世界を知ったワクワク感に心が満たされていた。
 
お寺を出ると外はもう真っ暗。材木座海岸の砂浜に立つと海の向こうの空には、半分以上欠けている月が、ぼんやり輝いていた。その隣には明るい星がひとつ、月に寄り添うように光っている。あの星がなんていう名前なのか、さりげなく言い当てることができるくらい星の知識があったら素敵だろうな。
 
海沿いの食堂で、湘南の地物をおかずにした定食を食べると、再び駅に向かって歩いた。夜になると11月らしく少し寒さを感じできたのでジャケットの前ボタンを閉めて襟を立てた。だけどそんな冷たい空気に、少し遅い秋の訪れを感じて、僕はちょっと嬉しくなった。
 
途中、商店街にぽつんとあったカフェでコーヒーを飲んで一休み。こんな風に程よい場所に気の利いたカフェがあるのが鎌倉らしい。再び夜の静かな鎌倉を歩きながら、僕は日々の忙しさを忘れ、穏やかな気持ちに満たされていった。そして、乾燥してひび割れた大地に降る久しぶりの恵みの雨のように、僕の心に親密さと温もりを伴った潤いを与えてくれた。いい1日だったな。帰路、空席の多い電車に乗りながらしみじみそう思った。
 
日曜日は、中目黒のトーキョーバイクへ。
 
オーダーしていたあのトラベラーズバイクができたので引き取りに行ったのだ。オリーブカラーのフレームに、トラベラーズノートのロゴをベースにした真鍮のヘッドバッヂ。やっぱりかっこいいな。シートの位置を調整してもらい走ると、漕ぎ出しも軽くていい感じ。早速トラベラーズファクトリーに立ち寄って、スタッフに自慢してお店の前で写真を撮ろうと思ったけれど、お店はたくさんのお客さんで混雑していて、そんな余裕はなかった。もちろんそれはそれで嬉しいことなんだけどね。
 
中目黒から自宅までは約15キロ。初ライドにちょうど良い距離だ。途中、カフェでコーヒーを飲んだり、銭湯に寄ったりしながら、距離を惜しむようにゆっくり時間をかけて、新しいトラベラーズバイクとの初めての走りを楽しんだ。
 
さて、明日は何をしようかな。
 
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