2020年2月17日

京都まであと二ヶ月

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トラベラーズファクトリー京都のオープンまでいよいよあと二ヶ月ということもあって、最近「京都の準備は順調ですか?」と聞かれることが多い。そんな時に、自信を持って「順調ですよ」と答えているかというと、もちろんそんなことはなくて、ゴモゴモと言葉をごまかしながらあいまいな顔をしてお茶を濁している。
 
日々の雑事に、想定外の仕事もやってくるし、忙しい割にはなかなか思い通りに進んでいないというのが、正直な気持ちだったりする。だけどぎりぎりに追い詰められた時の火事場の馬鹿力こそが、トラベラーズチームの持ち味でもあると勝手に思っている。あと二ヶ月もあれば、きっと素敵な場所ができるはずだよね。みんな、がんばろう。
 
そんなことも言いながら、もちろん何も進んでいない訳ではなくて、内装工事はいよいよ終盤になってきた。京都は、今までのトラベラーズファクトリーの中で最も広い空間を持つ。京都ではトラベラーズファクトリーの原点に立ち返り、その広い空間の中にものづくりの工場のような空気を醸し出したいと考えている。そのために、流山工場からはいくつかの道具を送っている。
 
流山工場は1964年に竣工し、60年以上に渡り紙製品を作り続けているから、古くて年代物の機械や道具がたくさんある。それらの道具は、油で黒ずんでいたり、錆びたりしているのだけど、そのことが長年に渡りものづくり作り続けてきた歴史と誇りを感じさせてくれるし、その佇まいにはなんとも言えない美しさがある。何より流山工場は、僕らのものづくりの原点となる場所でもあるから、そこにあった道具を並べることで、足を運んでくれた人たちに少しでも流山工場の空気を感じてほしいと思っている。
 
ただ、中目黒を作る時にすでに工場にあったテーブルや棚をけっこう譲ってもらっているので、工場長からは「もう渡せるものは何もないよ」と言われていた。それでも工場長に頼み込んで、ローラーコンベアやコンプレッサーなど、いくつか工場らしい道具を譲ってもらうことができた。
 
ローラーコンベアは、大きな工場や倉庫ではよく見かける製品やダンボールを移動させるための装置で、僕らはこれを改造してテーブルとして使うことにした。まだ完成はしていないけど、どんなものができるか楽しみでしょうがない。コンプレッサーは、空気を圧縮して動力を作る機械でこれも工場らしい雰囲気がある。これは装飾品として2個並べて店内のどこかに置くことにした。さらに活版印刷の版をつける板やスパナにレンチなどの細かい道具も譲ってもらった。
 
流山工場以外にも古道具屋さんを何件か巡り、アメリカの木工所で使っていた作業台に、東欧の古い工場を照らしていたランプ、戦前のヨーロッパの旅人に使われていたトランク、古い地球儀や棚などを手に入れた。中目黒でおなじみのTRUCKの革のソファーもすでに発注済みで、東本願寺の修繕工事で使った足場材を並べた床の上に置く予定。tokyobikeがコラボレーションで作ってくれた初代トラベラーズバイクは、中目黒から移動して京都に設置することにした。
 
それに店内で読める古書もそろそろ少しずつ手配をはじめよう。店内で流れるBGMには、日本語の音楽も加えてみようかな。あとは手描きのサインやトラベラーズノートのサンプルを貼ったボードも作らないと。旧京都電話局の歴史を感じるあの空間に、トラベラーズノートとともに、これらが並んだ姿を想像すると、なんだかわくわくしてくる。
  
あと二ヶ月。きっとさらに忙しい日々が続くのだと思うけど、僕らの頭の中にワクワクしたイメージがあれば大丈夫。ぜひ楽しみにしてください。
 
話は変わりますが、先週末はトラベラーズファクトリーでKo'da Styleのこうださんと、short fingerの渡部さんとのイベントchoiceを開催。土曜日は1日会場にいてこうださんや渡部さん、さらにお客さんともお話しをしながら一日を過ごした。日々の雑事から離れて、皆さんとお話しをすることで、なんだかいろいろ刺激を受けました。やっぱりトラベラーズファクトリーはいいな。今週末は、アアルトコーヒー庄野さんと、三軒茶屋のニコラさんが中目黒に来てくれてカフェイベントを開催します。こちらもぜひ!
 
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