2020年6月22日

日記を書く

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6月15日(月)
自転車で神田のオフィスへ行き仕事。今日は、ほぼ一日テレ会議なので在宅でも仕事はできるのだけど、やっぱり家で会議をするのは、落ち着かない。ブルートゥースのイヤフォンをつけてPCで会議をしていたら、あまりの長さに会議中にイヤフォンが電池切れ。スピーカーに切り替えようとしたのだけど、なかなかうまく繋がらなくてあたふたする。その間10分ほど音が聞こえなかったけれど、会議を止めるのも憚られたため、聞いているふりをして、なんとかうまくやり過ごす。
 
帰りに書泉ブックマートに立ち寄ってみたらぎりぎり営業時間に間に合う。ずっと気になっていた『つげ義春日記』を購入。
 
6月16日(火)
自転車で中目黒オフィスへ。片道1時間15分の自転車通勤もだいぶ慣れてきた。最初は電車での感染を防ぐために始めたんだけど、気持ちいいし、運動になるし、今は楽しみにすらなっている。
 
京都は、休日が明けてもたくさんお客様が来てくれているようで嬉しい。それに古書が売れているというのも嬉しい。昔から古書店を開くのが夢だった。 商店街から少し外れた路地裏にあるような小さな古い建物で、自分の好きな本に囲まれて、ひっそり静かに本を売るようなお店ができたらいいなと思っているのだけど、そんな商売は成り立たないだろうな。
 
6月17日(水)
橋本が2021年のダイアリー用シールのデザインをアップ。うん、いい感じ。本を読んだり、イマジネーションの中で旅をする時にもトラベラーズノートは大切な相棒となってくれる。そんなことを感じさせてくれる素敵なシールになりそうだな。
 
6月18日(木)
月に一度のトラベラーズファクトリーのミーティング。コロナの前はトラベラーズファクトリー2階でやっていたのだけど、最近は密を避けるため、オンラインで行っている。中目黒、東京駅、成田、京都の各店舗から中継テレビを見るように話をする。居ながらにしてみんなと話ができるのはとても便利なんだけど、会議が終わった後、雑談とかどうでもいいような話ができないのはなんだか物足りない。たまには一同に集まれるといいんだけど、そう思っているのは自分だけだったりして...。
 
6月19日(金)
1日雨ということで電車で中目黒へ。早々にアメリカのYさんから電話。先日立ち上がったばかりのオンラインショップTRAVELER'S COMPANY USA のことでいろいろ話をする。その後、京都の店長とオンラインで打ち合わせ。新しい店を立ち上げて軌道に乗せていくには、いろいろ大変で苦労も多い。世の中がこんな状況では、なおさらだ。だけどみんな前向きにがんばっていて嬉しい。都内の2店舗はまだ厳しいし、成田は再開の目処すらたっていない。だけど、こんな状況だからこそ、お客様を笑顔にしたり、前向きな変化をもたらすことに大きな価値があるはず。何ができるのか。もっともっと考えないといけない。

夕方、仲間へのサプライズギフトを作る。参加するはずだった結婚式がコロナの影響で家族だけで行うことになったため、かわりにノートを作って贈ることにしたのだ。みんなのメッセージが描かれたページをリング職人の石井さんが綴じて、表紙には僕が京都限定トラベラーズノートをもじって彼女の好きなものを並べて描いた。手にした時に喜んでくれる姿を想像して、みんなでワイワイしながら、ああしよう、こうしようと言って、作業をするのは思いがけず楽しい時間で、これからの仕事のヒントをもらったような気がした。喜んでくれるといいな。 夜みんなが帰った後、静かなオフィスでしばらく一人で仕事をする。ふと思い立ち、RCサクセションの『June Bride』を流していたら、なんだか急にしんみりした気持ちになった。
 
「着飾った花嫁は、このびしょ濡れの雨の中...
 June Bride、June Bride、君だったんだね。
 おめでとう、しあわせになってね」
 
6月20日(土)
休日。自転車で実家へ行き、コロナで延期になっていた母親の仏壇へ魂を入れる開眼供養という儀式を行う。久しぶりに父親のもと兄弟が集まる。まだ決まっていないお墓のことからはじまり、それぞれの仕事のことなどを賑やかに話すが、こういう時は自分は口が重く、あまり積極的に話ができない。悪い癖なのは分かっているけど、うまくできない。実家から帰る途中、久しぶりに錦糸町のサウナへ。まだそれほど人がいないおかげで、ゆっくりサウナと水風呂を繰り返す。

ここのところ、週に3、4日は往復2時間30分も自転車に乗っているから、痩せたかなと思いながら、久しぶりに体重計にのってみたら、むしろ少し増えていた。そういえば自転車通勤の時は、体を動かすからお腹が空いてけっこう食べてしまう。体重を減らすのは、運動をするよりも、食事を減らすことの方が有効なのかもしれない。
 
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最近読んだ『つげ義春日記』が面白くて、つげ氏の日記風に書いてみた。だけど私小説のような深みを感じる氏の日記と比べると、全然そのレベルには達していない。

本当は、人に言えないような不安や悲しみにいやらしい欲望も頭の中には渦巻いているけど、それらを正直に曝け出すことができない。だけど何年かして自分で読み返してみると、コロナ禍の今の状況を思い出すのかもしれない。その時には、あの時は大変だったなと、しみじみと笑顔で思えたらいいな。
 
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