2021ダイアリーと5か月ぶりのエアポート
先週、トラベラーズノート2021ダイアリーの発売日を迎えた。今年はこんな状況なので、正直に言えば不安もあったけど、発売日のトラベラーズファクトリー 中目黒や東京駅、京都にはたくさんの人が来てくれたし、オンラインショップも例年以上にオーダーをいただき、まずはほっとしている。ありがとうございます。
最近、コロナ禍の影響でテレワークが進み、スケジュール管理のデジタル化がさらに進んでいるという。そのためなのか、今年はダイアリーの販売が厳しいとの声を営業から聞いたりする。今ではうちの会社でもミーティングの予定はグーグルカレンダーで管理するようになった。他の人と簡単に共有できるし、これはこれで便利なんだけど、やっぱりトラベラーズノートのダイアリーが必需品であることには変わりはない。
僕の月間スケジュールには、予定だけでなく余白に電話番号をメモしたり、今月やりたいと思うことを書き留めたり、暗号のような数字やふざけた落書きがあったりして、それを眺めることで、その時の状況がイメージできる。また日記のように過去のページをめくりながら、しみじみと思い返したり、未来のページを開くことで想像が膨らんだりするのも紙のダイアリーならではの良さだと思う。デジタルは、過去のページを振り返り何かを思い出したり、未来のカレンダーを眺めてわくわくしたりするには現実的すぎるけれど、紙にはロマンチックで情緒があるんですよね。もちろんデジタルの良さもあるので、これからはそれぞれの特徴や機能を活かしながら使い分けていくことになるのかもしれない。
発売の前日、中目黒でweekend booksから届いた古書とともにダイアリーを並べていると、紙がもたらす懐かしさや温かさ、心をワクワクさせてくれる空気はいいなとあらためて思った。
また先週末、ダイアリーの発売とあわせて、ずっと休業しているトラベラーズファクトリーエアポートを2日間だけ臨時営業した。成田空港は相変わらず飛行機の便は少ないし、施設内の店の多くが休業し、人も少なく閑散としている。先行きも未だ不透明で、いつ営業を再開できるのかめども立っていない。そんな中だけれど、ダイアリーの発売を機に、試験的に2日間だけ営業することにした。休業がはじまったのが4月8日だから、約5ヶ月ぶりのオープンだ。
ダイアリーの他にも休業中に発売した商品を並べ、掃除をして、さらに感染予防のシートを設置したり、消毒液を用意したり、バタバタと準備をして迎えた当日。たくさんの方が飛行機に乗って海外へ旅するためではなく、トラベラーズファクトリーに来るために成田空港まで足を運んでくれた。みなさん臨時営業を喜んでくれて、この場所がたくさんの方に愛されているのを実感することができて、本当に嬉しかったです。
僕も土曜日に立ち寄ったのだけど、「来ちゃいましたよ」と久しぶりにお会いするお客様に声をかけてもらい、楽しく話をさせてもらいました。以前のように、成田空港に世界中の旅人が行き交うようになるのがいつのことなのかまったく予想もできないけれど、まずは今後も不定期で臨時営業をしていきたいと考えているのでよろしくお願いします。そして、また皆さんが海外への旅をすることができる時までなんとかがんばっていきたいと思います。
さて、トラベラーズファクトリー エアポートを出ると、展望デッキで飛行機を眺めてから連絡バスで第2ターミナルへ行った。第2ターミナルから東成田駅まで通じている地下通路がある。実はこの通路を歩いて、東成田駅まで行くのがちょっと楽しい個人的おすすめスポットなのです。約500メートルの通路は、無機質でほとんど歩く人もいないため、昔のSF映画のセットのような不思議な気分が味わえる。
さらにしばらく歩いてたどり着く東成田駅は、成田開業時から1991年まで成田空港駅として使われていた駅で、薄暗い入り口はがらんと広く廃墟のような雰囲気が漂っている。ホームの向こうには、現在では使われていない薄暗いホームが残っていて、「成田空港駅」の看板が付けられたままになっている。ここもまた映画のワンシーンに紛れ込んだような気分が味わえる不思議な空間です。
今回は東成田駅から、さらに日本一短い私鉄、芝山鉄道に乗って、芝山千代田駅へ行った。飛行機が間近にある車窓を眺めながら、駅に着くと、歩いて成田空港温泉へ。サウナに入ったり露天風呂に浸かりながら、ゆっくり過ごして家に帰った。今回は行かなかったけれど、成田駅で降りて成田山新勝寺をお参りして、うなぎを食べるのも良し、閑散とした成田空港を見てみるということも貴重な体験です。トラベラーズファクトリー エアポートの次の臨時営業の際は、成田めぐりとあわせてぜひ遊びに来てください!