2021年8月30日

2022 DIARY

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先週、トラベラーズノート 2022ダイアリーの情報を公式サイトにアップしました。2020年は「TRAVEL TOOLS」、2021年は「本」というように、毎年テーマを決めて、シールや下敷などのダイアリー関連アイテムを作っているのだけど、2022年のテーマは「映画とサウンドトラック」になります。
 
今回のテーマを決めるときのこと。3月にリリースした「B-Sides & Rarities」が個人的にもけっこう気に入っていたので、「そのままダイアリーも同じテーマでいかない?」と僕は深く考えずに橋本に話してみた。すると、「ダイアリーって毎年必ずリリースしているし、毎日使うリフィルでもあるし、B面というよりA面だと思うんですけど...」と言われ、確かにそうだと思った。
 
じゃあ、ダイアリーをレコードに例えてみるとなんだろうと思いを巡らせ、浮かんできたのが映画のサウンドトラックだった。サウンドトラックを聴くと映画のシーンとと共に、観たときの感情も頭によみがえってくることがあるけれど、それが古いダイアリーを眺めたときに、そのダイアリーを使っていた頃の風景や感情がよみがえってくることに似ていると思ったのだ。サウンドトラックの音楽には、その映画の物語が記憶と結びついているように、使い終わったダイアリーにはその1年間の記憶が詰まっている。
 
それに自由に旅ができないなかで、自分自身も家で映画を見る機会が増えているし、今まで想像もできなかったことが起こり、先が見えないこの時代を生きていくこと自体がどこか映画の出来事みたいな気もする。ならばいっそ映画の登場人物になった気分で、2022年を過ごしてみたら、前向きになれるのかもしれない。そんなことを考えながら、2022年ダイアリーのテーマを「映画とサウンドトラック」に決めた。
 
TRAVELER'S notebook is like a movie soundtrack that brings back memories.
(トラベラーズノートは物語の記憶を思い出させてくれる映画のサウンドトラックみたいだ)
 
まずはタイトルになるようなテキストを考えて、サウンドトラックのレコードをプレイヤーで聴いているシーンに映写機などの絵も描いた。
 
本がテーマだった2021年の下敷やカスタマイズシールは、文学作品がデザインのモチーフになっているけど、これらの文学作品は著者が亡くなってから何十年か経って、パブリックドメインになっているものから選んだ。だけど映画ではそれは難しい。ならばトラベラーズムービーの架空の映画ということにしてしまおうと橋本と考えていった。
 
遠く離れた惑星から地球にやってきたトラベラーが、ノートを手にすることで得ることができる人間離れした特殊能力をもとに、地球のさまざまな悪と戦い活躍するヒーロー映画『トラベルマン』。
 
西部開拓時代のアメリカ。ノートに計画を記して強盗や泥棒を繰り返すアウトローでありながら、同時に権力者に抗い弱く貧しい庶民の味方だった旅人が主人公の西部劇『ビリー・ザ・トラベラー』。
 
謎の革のノートとホモサピエンスの祖先である猿人との接触からはじまり、月面、金星までの旅を通し人類の未来を暗示する壮大なSF叙事詩『2022年 宇宙の旅』。
 
戦国時代、野武士の略奪に悩む山村の百姓の前に突如現れた7冊の革のノート。そこに記されていた秘策に加え、新たに書き込まれたアイデアなどによって、百姓が協力して野武士の襲撃から村を守る日本映画の金字塔『七冊のトラベラーズノート』。
 
ブルックリンのディスコに毎週土曜日になるとノート片手に現れるトラベラー。軽快でキレのあるステップでみんなを圧倒する。そんな彼がノートに綴った旅の日々がもとになったディスコ映画『サタデー・ナイト・トラベラー』
 
自由で進歩的なため、保守的な村人となじめない美女が、ある日ノートを手にした旅人と出会う。旅人は魔女の呪いによってひとつの場所に留まることを許されず、常に旅を続けなければならない。美女はそんな旅人に恋をして...。古典戯曲が原作のアニメーション映画『美女と旅人』。
 
自由を追い求めて広大なアメリカを旅した破天荒な若者たち。主人公の作家は、常にノートを携えて、その旅を記録していった。旅文学としてさまざまなアーティストに影響を与えた不朽の名作を映画化したロードムービー『オン・ザ・トラベラーズ・ロード』。
 
いや〜、こういうのを妄想するのって楽しいですね。モチーフは下敷やカスマイズステッカーにあるので探してみてください。本当ならそれぞれにぴったりのサントラも録音して、ショートムービーみたいなものが作れたらもっと楽しいと思うのだけど、そこまでの技術もお金もないので、まずは想像の中で映像を再現しましょう。
 
ということで、2022年はトラベラーズノートのダイアリーとともに、自らが監督になった想像の映画の主人公になった気分で過ごしていただけたら嬉しいです。9月16日発売です。
 
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