2021年9月 6日

TRAVELER'S TIMES Vol.16

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先週末、KADOKAWAの編集の方より、9月25日に出版するトラベラーズノートの本、『トラベラーズノート オフィシャルガイド』が、無事校了しましたとの連絡をいただいた。これまで何度もゲラをチェックして、気になる部分や間違いを直してもらったり、さらに編集の方からもここはこれは大丈夫なのかと確認があったりして(実際にそれで救われたミスもいくつかあった)最近バタバタしていたのだけど、その作業も終わりいよいよ印刷と製本がはじまる。だけど、そのときの気分は終わった安堵感よりも、本当に大丈夫なのかという不安の方が大きい。
 
同じ日、本の校了と時をあわせたかのように、今度は刷り上がったばかりのトラベラーズタイムズの最新号が手元に届いた。トラベラーズタイムズの完成品を開く瞬間には、いつも不思議な緊張感に包まれる。もちろん、まだインキの匂いがほのかに漂う紙面を眺めながら、ついに出来上がったんだなあ、と感慨に浸ることがないわけでないのだけど、それ以上にこの瞬間に誤字を見つけたらいやだなあという不安の方が大きく心に湧き上がってくる。以前まさにこのタイミングで、間違いを見つけたことがあって、それまで自分も含め複数のスタッフが何度もチェックしてきたにも関わらず、刷り上がりをパラパラとめくっただけで誤字を見つけてしまったときは、思わず頭を抱えてしまうほど落ち込んだ。
 
幸い、今回は今のところ誤字は見つかっていない。もし皆さまのお手元に届き、誤字・脱字を見つけても温かい心で受け止めていただけると嬉しいです。
 
そんなわけで、トラベラーズカンパニーが年1回だけ発行するフリーペーパー、トラベラーズタイムズ16号は、2022ダイアリーの発売日と同じ9月16日より、トラベラーズファクトリーをはじめ、日本全国の取扱店舗にて配布がはじまります。
 
トラベラーズタイムズ16号のテーマは、「15th Anniversary of TRAVELER'S notebook」。表紙は、いつもだったら旅先で撮影したトラベラーズノートの写真が定番なんだけど、昨年からずっと旅らしい旅をしていないこともあり、今回は橋本がデザインした15周年のロゴを僕がファクトリー2階の黒板にチョークで描いて、それを橋本が撮影した。これはこれで、コロナ禍の今らしい表紙になったと思っている。
 
最初のページには前にここで書いたように15周年を迎えるにあたっての言葉を綴った。個人的には、最近もやもやと頭にめぐっていたトラベラーズノートに対する思いみたいなことをまとめることができたと思っている。時間をかけて言葉を選んで、何度も書き直して仕上げたので読んでいただけると嬉しいです。さらに8名の方によるB-Sides & Raritiesの素敵な使い方の紹介に加え、「How Do You Use TRAVELER'S notebook」では、放送作家でくまモンの生みの親でもあるあの小山薫堂さんにご登場いただいています。
 
小山薫堂さんは、KADOKAWAさんの本にもご登場いただいているのですが、トラベラーズノートユーザーでもあるのです。もともとのきっかけは、トラベラーズタイムズ9号に登場いただいている脚本家の倉本聰さん。倉本さんはドラマの小道具としてトラベラーズノートを使って以来気に入ってくれて、その後もご自身の脚本の草稿や点描画を描くのに使っている。
 
ある時、倉本さんから連絡があり、小山薫堂さんにプレゼントとして贈りたいからとトラベラーズノートを注文をしてくれたことがあった。僕らは小山さんも気に入って使ってくれるといいなと思いながら、丁寧にラッピングしてお送りした。それから何年かして、テレビで小山薫堂さんを見たとき、そのかたわらにトラベラーズノートがあるのを見つけ、さらにWEB記事でトラベラーズノートを手にしながら、旅日記について語っている姿を見て、実際に使ってくれているのを知った。
 
KADOKAWAさんと本の打ち合わせをした際に、そのことを話したら、ぜひご登場願いましょうとなって、小山さんにコンタクトしてくれて、その際に、同時にトラベラーズタイムズへの登場を依頼すると快諾してくれた。
  
小山さんと話をすると、トラベラーズノートを使うのがさらに楽しくなるキーワードになりそうな言葉をたくさん話してくれて、とても楽しい取材になった。トラベラーズタイムズには、そんな小山さんの言葉が詰まっていますので、ぜひ楽しみにしてください。
 
今回のトラベラーズタイムズは、『トラベラーズノートオフィシャルガイド』とちょうど同じ時期に制作していたこともあって、僕らとしては、タイムズが『オフィシャルガイド』を補完するB面のような存在になればいいなと思って制作した。『オフィシャルガイド』がトラベラーズノートの世界をまとめた全集みたいな存在なら、今回のタイムズはその付録の小冊子やあとがきみたいな存在にもなっていると思っている。なので、ぜひ『オフィシャルガイド』とあわせてタイムズ16号も手に取って読んでいただけると嬉しいです。
 
『オフィシャルガイド』のことは、またあらためてこちらで書きたいと思います。
 
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