2021年8月 2日

夏の定例行事

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トラベラーズタイムズの制作は、まずテーマを何にして、どんな内容でいこうかと話をすることからはじまる。その後だいたいの方向性が決まると僕が原稿を書き、橋本が写真を撮影したり、各ページをデザインしたりして、全体のレイアウトをするのがいつものパターン。例年、夏休み前後が入稿のタイミングになるので、トラベラーズタイムズの制作は、もう15年続く夏の定例行事のようになっている。データの入稿が無事終わると、色校正をチェックした後に、流山工場で印刷、製本を行い、9月中旬に完成する。
 
前回のブログで、タイムズの原稿を書いたことに触れたけど、先週はその後もいくつか原稿を書き、「How Do You Use TRAVELER'S notebook」に登場いただく方の取材と撮影に行ったりして、タイムズの制作にいくらかの時間を割いた。そして金曜日の夜、橋本が入稿前の最終デザインを出力してくれた。
 
この出力された最終デザインを見るのは個人的にはとてもワクワクする瞬間でもある。A3の紙が4枚。折って貼り合わせて、8ページの小冊子の見本ができあがる。そしてページをめくりながらしみじみと眺めるとまるで僕の書いたテキストに、素敵なメロディーがついて、ギターの伴奏とともに美しい声で歌ってくれているような気分になるのだ。
 
表紙は心をつかむ印象的なイントロのようだし、写真やデザインはかっこいいギターソロみたいで歌詞の隠された意図もくみとりながら、美しいメロディーを奏でるように全体をまとめてくれる。いつものように、橋本はすごいなあと素直に感心しながら見本を眺めた。トラベラーズタイムズを作ることは、それなりに手間もプレッシャーもかかる大変な仕事なんだけど、こんな瞬間を味わえるから16号まで続けることができたのかもしれない、なんて思ったりもする。
 
手間とプレッシャーがかかる理由のひとつにトラベラーズタイムズが印刷物であることもある。このブログを読んでくれている方ならお分かりのように、僕は誤字脱字などの間違いも決して少なくない(って言うか多い)。ブログに限らず、サイトのイベントやプロダクト情報に、インスタグラムのテキストだってアップ後に日付のミスから、内容の間違いなど自分で見つけたり、人から指摘されたりして、修正するなんてことはしょっちょうある。

ネットはその点においてはとても気楽で、いつでも簡単に直したり、さらに削除してしまうことだってできる(だからと言って当然間違いは良くないし、その気楽さゆえの問題もあるけど)。だけど紙の印刷物は、一度印刷してしまったらもうそれを元に戻すことができないし、誰かの手に渡ったら消去することもできない。
 
なので、トラベラーズタイムズの原稿を書く時は、当然ブログよりも慎重になる。書き終わると、紙に出力して読み込んで赤入れをすることを何度も繰り返す。レイアウトが終わってからも、自分だけでなく他のスタッフにもチェックをしてもらう。幸い校正が得意なスタッフもいて、僕が全く気づかなかったミスを見つけてくれて、驚きとともにホッと胸をなでおろしたことがたくさんあったし、それでもチェックをすり抜けて、できあがってからミスに気づいて呆然としたこともある。そんな苦労がありながらも、トラベラーズタイムズを印刷物として制作してきたのは、僕らが本や雑誌が好きで、紙の印刷物に特別な思い入れがあることとあわせて、アナログの革と紙で作られたトラベラーズノートを使ってくれる方々に届けたい大切な情報はやっぱり紙であるべきだと考えているからでもある。
 
そんな想いで毎年、休むことなく作り続けたトラベラーズタイムズも次号で16号になる。今年はトラベラーズノートの15周年になるのだけど15周年迎えるにあたっての言葉のようなものをきちんと発信していなかったということもあり、この場で綴らせてもらった。また「How Do You Use 〜」には、きっと皆さん、ご存知のとても素敵な方に登場いただきます。個人的には15周年らしく、トラベラーズノートの魅力をあらためて感じてもらえるような内容になっていると思います。発行まではあと1ヶ月と少しありますが、ぜひ、楽しみにしていただけると嬉しいです。まずは校正をしないと...。
 
話は変わるけど、僕が住む墨田区はワクチン接種のスピードが速いようで、日曜日に無事に2回目の接種を終えた。今のところ、体に異常がないようでほっとしている。相変わらず感染状況はかんばしくないけれど、はやくみんな安心して旅ができるようになったらいいな。
 
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