午前休
先週は、京都を出ると岡山まで足を運び、倉敷で一泊して火曜日に東京に帰ってきた(岡山と倉敷でのことは後日報告します)。その翌日から東京での普段の仕事に戻ったのだけど、旅の疲れなのか、久しぶりに味わった旅の開放感と東京での仕事とのギャップに心が疲れたのか、木曜の夜になると、急に疲労感に襲われ、体が重くなってきた。そこで体からのサインに素直に従うことにして、翌日は午前休をいただこうと思った。
家の近所には午前中も開いている銭湯が2つある。ひとつはオールナイトで朝10時まで営業していて、もうひとつは朝10時からオープンする。10時までやっている銭湯は、広々とした開放的な露天風呂が魅力。風呂上がりにカフェに寄ってゆっくりコーヒーでも飲んでから会社に行っても午後からの仕事に間に合う。10時からの銭湯は、最近リニューアルした銭湯でレベルの高いサウナが人気。昨今のサウナブームのおかげで夜や休日は予約しないと入れないけれど、朝の10時に行けばゆっくり入れるはず。だけどこっちは風呂上がりのんびりする時間はない。いずれにしても、どちらかの銭湯に立ち寄り、お風呂に入ってから会社に来ようと思った。
翌朝、目が覚めて起きると依然として体はぐったりと重い。朝飯を食べ終わってもしばらく腰を上げる気分にならず、結局、朝10時オープンの銭湯に決めた。重い腰を上げ、仕事道具を入れたバッグを背負うと自転車で銭湯に向かい、オープンと同時に入った。
平日の午前中、一番風呂の銭湯。洗い場には椅子と風呂桶が一糸乱れずきれいに並んでいる。風呂場の天窓からは、太陽の光がやさしく差し込んでいた。いつも人でいっぱいのサウナ室にもまだ誰もいない。周りを気にせずゆったり足を伸ばしてくつろぎながら、心置きなくサウナを楽しむ。水風呂に隣接してた中庭で火照った体を外気にさらしてぼーっとしていると、たまっていた重たいものが体から溶け出していくような気がした。
サウナの後は、ぬるめのお風呂に体を浸して、「みんなはもう働いているのかな」なんて考える。洗い場では、ガタイの良い強面の老人が、カミソリでほとんど髪がない頭を剃っていた。頭が終わると、今度は足にも剃刀を当て、スネからふくらはぎ、太ももまでずいぶん丁寧に剃っていく。さらに胸から腕に脇の下、最後には下の毛も剃っていった。だけどなぜか白髪のヒゲだけが立派に残っている。そんな平日午前中の銭湯ならではの不思議な光景を湯気の奥にぼんやりと眺めながら「いろんな人がいるなあ」と心の中でつぶやいた。なんだかどこか遠くの旅先にいるみたいだな。もう一度サウナと水風呂に入ると、気分はすっかり良くなって体の調子も戻ってきた。
風呂を出て自転車に乗ると、冬のひんやりとした空気が気持ちいい。旅の心地よい記憶が蘇ってきた。銭湯に来る前は駅から電車で会社に行こうと思っていたけど、自転車で会社まで行くことにした。
ここのところ、久しぶりにお会いする方と、新しい企画やイベント、コラボレーションなど、来年以降に向けた話をすることが続いている。京都の後に岡山に行ったのもそのひとつ。どこまでできるか不安もあるけれど、同時に、いよいよみんな次に向かって動き出したことを実感するし、そんな中でトラベラーズに声をかけ、楽しくわくわくする計画の仲間に加えてくれるのも嬉しい。
2022年に向けて僕らのもとに良い波が来ているのを実感するので、心と体の健康に注意しながら、その波を捉えて新しい旅を楽しみたいですね。とりあえず午前休しての平日の朝銭湯は心と体の疲れにけっこう効くことが分かったので今後も月に1、2回はやってみようと思います。