倉敷-京都-中目黒
木曜日の朝、いつもより早く家を出て東京駅から新幹線に乗ると岡山経由で倉敷へ向かう。
倉敷に着くとまずはカレー屋で昼食。ここはトラベラーズでお世話になっている方の弟さんが運営していて、ずっと行きたいと思っていたカレー屋さんだった。ボリュームたっぷりのカツカレーを食べていると、その弟さんが忙しい合間を縫って、テーブルまで顔を出して、しばらく楽しい話を聞かせてくれた。
すっかりお腹が満たされて幸せな気分になると、9月のキャラバンイベント以来となるT.S.L倉敷へ。The Superior Laborの河合さんと来年の計画について打ち合わせをする。直接会えば話も早いし、面白い方に転んでいく。来年も一緒に楽しいことができそうだとワクワクしながら倉敷を出て、京都に向かう。
京都駅に着くとトラベラーズファクトリー京都に直行。新しいスタッフと少し話をして店を出ると、老舗中華屋さん、東華菜館へ。京都の店長を囲んで一緒にお酒を飲みながらご飯を食べる。東華菜館は料理はもちろん、大正時代に建てられた建物も素晴らしい。年代物のエレベーターに乗って案内された席の窓からは、夜の鴨川が見えた。
2022年の京都は、コロナに振りまわされて、静かになったり、忙しくなったりを繰り返した1年だったけど、最近は海外からのお客さんも増えて、オープン前に思い描いたような世界中の旅人が集まる場所になりつつある。いろいろあったけれど、その苦労を語るのではなく、楽しかったことやこれからのことを明るく話す店長に僕も救われたような気分になった。
東華菜館を出ると喫茶店でコーヒーを飲むことに。夜10時を過ぎても、喫茶店が開いているのも京都ならではなのかもしれない。サイフォンで淹れた深煎りのコーヒーを飲みながら、1時間ほど話の続きをした。もう少しで日付が変わりそうな時間に、ホテルにチェックイン。誰もいない大浴場を独占してゆっくり過ごしてからベッドに入る。
金曜日、朝4時にスマートフォンのアラームの音で目を覚ますと、テレビのスイッチを付けて、ワールドカップの日本・スペイン戦を見る。正直に言うと、熱心なサッカーファンでもないから、それほど感情移入することなくボーッとした頭で半分眠りながら見ていたのだけど、後半立て続けに点数が入るとさすがに目も覚めて、試合終了までちょっとした緊張感を持ちながらテレビを見た。
試合が終わったら再び眠りについて、7時半に起床。ホテルを出ると、六曜社でモーニングの朝食を取り、再びトラベラーズファクトリー京都へ。この日もスタッフたちと面談をする。みんな前向きでまたも僕がたくさんの元気をもらう。
その後、最近エースホテルを辞めたアーティストのヒナさんと一緒に少し遅めのランチをとる。来年は中目黒で何かをしましょう、と約束をして別れると、新幹線で東京へ向かう。
19時頃にトラベラーズファクトリー中目黒に到着。翌日のイベントの準備をしていたビクトリノックスの方々と合流し、準備を手伝う。閉店の時間を少し過ぎた頃に準備が終わると、イベントの壮行会という名目でみんなで飲み会へ。
「いやあ、ずっと子供のころから憧れの道具だったビクトリノックスとこんなイベントができるなんて夢のようですよ」なんてことを言いながら、楽しい時間を過ごした。
長い1日の終わりに帰りの電車で家に向かっていると、ふと「そういえば、朝は京都にいたんだな」ということを思い出して、どこまでが旅でどこからが日常なのかと不思議な気分になった。
土曜日はトラベラーズファクトリー中目黒で1日イベントに立ち合う。オープン当初は忙しく過ごしながら、久しぶりにたくさんのお客さんと話をすることができたし、後半は手が空くと、キッチンナイフの切れ味を試してもらうために持ってきてくれたフランスパンをカットしてもぐもぐ食べたりしながら、ビクトリノックスの方と次はどんなことをしようかと話をした。
日曜日には、トラベラーズの仲間がコロナ以降はじめてインドネシアから来てくれるということで、夕方、トラベラーズファクトリーに顔をだす。彼に会うためにスペインの仲間も来てくれて、ファクトリーの2階はしばらくインターナショナルな雰囲気で包まれた。なんだかコロナ前みたいだなと思いながら、久しぶりに味わうその雰囲気に嬉しくなった。
もう、旅と日常、仕事と遊びがぐちゃぐちゃに混ざり合ったような日々だけど、それはそれでトラベラーズらしいしと思うし、なによりも好きな人たちと会って話をして、一緒に何かをするということこそ、トラベラーズの基本だとあらためて思った。
コロナでそういうことが憚られるという時期が続いたけれど、これからはいよいよ僕らの本領発揮というか、今までの鬱憤を晴らすくらいにたくさん旅をして、誰かと会って話をしたりしながら楽しくやらせてもらいます。お楽しみはまだまだ、これからです。